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お知らせ
建物の構造上の安全性を検証することを目的とした計算を構造計算と言います。日本のような地震大国では、いつ大地震が来るかわかりません。
構造計算をしている一般住宅は全体の約2割
安心して生活するためにも、この構造計算が重要であると言われているのですが、実際には一般住宅の場合、20%程度しかなされていないのが現状です。残りの80%近くは、壁の量だけで計算する壁量計算のみで構造安全性を確認しています。
この背景には、構造計算が義務化されていないということがあるようです。義務化されればコストアップは避けられませんので、建築業者からはあまり歓迎されていないようです。
ところが、2016年に熊本大地震が発生したとき、考え方がかなり変わったと言われています。というのは、2000年以降に改定された新耐震基準を満たしているにもかかわらず、多くの建物が倒壊してしまったからです。
特に長期優良住宅に認定されていた建物さえも倒壊してしまい、業界関係者たちの間に大きな衝撃が走ったのでした。新耐震基準を満たしていたとしても安全であるとは言えないことが明らかとなってしまったのでした。
構造計算が義務化されている建物
ちなみに日本の法律では、構造計算が義務化されているのは、鉄骨造や鉄筋コンクリート造など大型の建物です。面積規模が500㎡以下の比較的小さな建物や、木造2階建て以下の建物には義務化されていません。それでも長期優良住宅や耐震等級3を取得できてしまうのです。
何も分からない一般の人は、長期優良住宅や耐震等級3に認定されている建物であれば、大地震が来ても大丈夫だと思うことでしょう。しかし、実は必ずしもそうではないということを理解する必要があります。
この事実は、義務化されていなかったとしても、安心して生活を続けていくためには、構造計算が必要な理由と言えるでしょう。もしきちんと計算さえしていれば、多くの建物の倒壊を防ぐことができるでしょう。
コストと安全性どちらを優先させる?
許容応力度計算が正式な名称ですが、壁量計算のように地震や台風などが発生した際に建物にかかる水平力を検証するだけでなく、それに加えて建物の自重や荷重の鉛直力に対して柱や梁の安全性を検証していきます。
計算資料は壁量計算がA4用紙で1枚程度であるのに対して、数百枚にものぼります。費用は30坪前後の一般的な住宅の場合、30万~50万円が相場となっています。
コスト増になってしまうことは確かですが、より信頼のできる安全性を確保することができるようになるでしょう。
